診療・各部門
Q 庭掃除をしてもよいですか
A ほうきの長さを調節して中腰にならなければ構いません。
*中腰になると腰背筋は伸び、椎間板はその内圧が高くなり腰痛の原因になります。
Q 草むしりをしてもよいですか
A 中腰にならず、膝を地面につけ座りこんで行って下さい(長時間にならないように)。
草むしりは腰痛の方のもっとも負担のかかる作業です。
*中腰の姿勢は庭掃除の場合と同じ理由です。
Q 自動車の運転はしてもよいですか、乗車時間の目安はどのくらいですか
A 運転をしてもかまいません。
しかし長時間同じ姿勢にしないように、車外での適度な休憩が必要です。
(目安は30分から1時間程度)。
背もたれは110度の傾きが良いでしょう。
*座った姿勢は立った姿勢より腰椎の前弯が減少して、腰背筋や椎間板の負荷が大きくなります。 イラスト
*背もたれをすれば上半身の体重の負荷が少なくなります。
Q 自転車の運転はしてもよいですか
A 運転をしてもかまいません。自動車の運転の場合と同様です。
サドルの高さは高くない方が良いでしょう。
また悪路や登坂は薦めません。
*サドルが高すぎると腰背筋や椎間板に、逆に低すぎると椎間関節の負荷が増します。
Q バイクの運転はしてもよいですか
A 運転をしてもかまいません。自転車の乗車と同様の考え方です。
重量のあるバイクの場合、コルセットが除去でき、自信がついてから乗車すると良いでしょう。悪路は振動があり薦めません。
Q 家事はどれくらいのことができますか
A 家事の内容にもよりますが、中腰や中腰でものを持つことは腰部にはかなりの負荷になります。したがってそのような行為をする必要がある時には十分な注意が必要です。場合によってはその時コルセットを装着する事を薦めます。
Q 仕事の復帰(社会復帰)の時期はいつごろからできますか、どのように始めてよいですか
A 労働量(職種)で違いがあります。事務職であれば術後1.5ヶ月から2ヶ月で就業可能と思われます。しかし同一姿勢を長時間とらないことが肝要です。重労働であれば術後2ヶ月から3ヶ月が目安です。仕事中はコルセット装着が良いでしょう。
Q 同じ仕事をしていてもヘルニアが出る人と出ない人があるのはなぜですか
A 腰椎椎間板ヘルニアの発生に影響を及ぼす要因として、環境要因と遺伝的要因があげられます。
環境要因として労働や喫煙があげられます。労働の影響については重労働者(職業ドライバー、金属・機械業労働者)は軽労働者に比べ約3倍の危険性があります。また動作では中腰で11Kg以上の物を持ったり、また持ち上げる時腰をひねる動作も危険です。車の運転も発生にある程度関連があるといえます。また喫煙は危険因子の一つになることが指摘されています。
遺伝的要因として若年者のヘルニアは約5倍の頻度で家族性の素因があると指摘されています。以上のように環境要因と遺伝的要因によりヘルニアが出やすい人出にくい人があるのです。
Q いつごろから普通の生活ができますか
A 社会復帰については、先に述べたごとくです。家庭内復帰についてはコルセットを除去できる時期が目安です。術後の場合は家庭内の仕事は重労働と考えられ2ヶ月~3ヶ月と思われます。
Q 術後仰臥位(仰向け)の時、膝を屈曲(膝の下に枕をおく)して臥床が必要ですか
A 術後は神経の除圧(圧迫がとれる)がされていますので、膝を屈曲しないでも仰向けが可能になっています。
*手術前は仰向けで膝を伸ばせば、腰椎は腹側(腰椎をそらす)にそるため神経が圧迫されて、下肢にしびれ感や痛みが出現します。
Q 術後いつ頃から散歩が可能ですか
A 歩くことができれば、いつからでも散歩は可能です。
Q 術後の場合犬の散歩はいつ頃から可能ですか
A 散歩中引っ張ることのない犬(小さい犬)の場合は散歩ができればいつでも可能です。しかし中型や大型犬のように引っ張る犬や命令をきかない犬は注意が必要で、散歩は薦められません。必要な時はコルセットを装着してください。
Q 痛み止めはいつまで内服するのですか
A 鎮痛剤はその副作用として胃部症状、また肝機能などに影響が考えられます。従って長期に服用する時には肝機能や腎機能の検査をお勧めします。鎮痛剤の使用はできるだけ少なく、できれば頓用で使用されることをお勧めします。
Q しびれ感は改善しますか
A しびれ感は改善しにくい症状です。
Q あぐらをかいたらなぜいけないのですか
A あぐらをかく姿勢は腰椎の正常な弯曲を損ない、腰椎が前かがみの姿勢になります。そのため腰背筋は伸びたままになり、筋性腰痛をきたすのです。
さらに椎間板に内圧が加わり負荷が増すため、椎間板性腰痛も加わるのです。
皆さんは座敷であぐらをかいて、長時間座ることが出来ない経験はありませんか。
*座敷で座るときは正座が良いのです。
正座の姿勢は腰椎の正常な弯曲が保たれるからです。
正座が出来ない方は臀部にのみ座布団を敷いて、腰椎の前かがみ(腰椎の後弯)を少なくしてあぐらをかけばよいのです。
Q 体重は影響がありますか
A 体重は影響があります。体重は少ないほうがよろしいです。
*腰椎の三つの機能(支持性、運動性、保護性)の一つに上半身を支えるという支持性があります。上半身の体重が増加すれば椎間板や筋組織の負荷が増すからです。
Q 重いものを持ってもよいですか
A 重いものを持たないことが賢明ですが、持たないと生活に支障をきたすこともあります。中腰で10kg以上のものを持つと椎間板ヘルニアの危険性が増すと言われています。従って持つ重量にもよりますが重量物を持つ時には中腰を避けて、日常生活の注意(中腰をさけたものの持ち方)に従ってください。
Q 再発を予防するには何に気を付けたらよいのですか
A 再発を予防する手段として、腰・背・腹筋の強化(腰痛体操)、日常生活の注意点、体重を含めた健康管理、最も重要なことは各個人の病気に対する自覚が必要であることを強調しています。
Q 腰痛が強い時はどうしたらよいですか
A 安静が第一です。痛みの少ない姿勢がありますので、その姿勢で臥位安静をとって下さい。症状が数日しても改善しない場合は受診して下さい。